ぬいぐるみのできるまで

ベータくん、まずはこうしたイラストが出来まして!
(ここに至るまでの道のりはまた改めてご紹介させて下さい)

犬、すなわち、よく働く忠実なしもべ、
これはβQ-51の姿勢でもございまして、
さらに、ご用聞きマインドを前掛けで表し、
あそびゴコロをスカーフと
左右も前後も若干の非対称から漏らしつつ、
ほのかに独自のスタンスをハンチングに込め、
よく見るとちょっと不憫な感じも漂わせ
なかなか味のあるキャラクターだと自画自賛しております。

が、これをぬいぐるみにするとなると、
できることできないこと、いくつか悩ましいところもありまして…
そこは職人さんと念入りに打合せ。

と、自社キャラなのでちょっとラフな形ですが、
打合せをまとめたシート、ある意味仕様書です。

サイズ 全長25㎝ 
 テーブルの上などで収まりが良く、作り方によっては自立が可能でSNSなどでのお出かけ撮影にも対応しやすいサイズだとだいたいこのぐらいです。
 もうひとまわり小さい、15㎝程度ということもアリかと思いましたが、ボア素材の縫製という性質上、小さくなると細工やデティールがちょっとつらいことも考え、このサイズにしました。
 50㎝程度の大きさになると迫力もあり、かわいさもアイキャッチ効果も倍増してくるのですが、それはまた今後のお楽しみです。作れるようになるといいな…
トイスケルトン入り
 ポージングしやすく、かつ、できれば自立させたいので、骨としてトイスケルトンを入れることにしました。体形的にそれほど派手なポーズはとれませんが、アクセントがつけられます。
 置いておけて転ばないということを考えると、始めから足を前に出したデザインで座り専用にすることも多いのですが、立ってくれた方がいろいろと使い道にも幅が出ます。ただ、しっぽがあるからバランスが微妙で、そこはやってみることにします
③本体生地 毛足3㎜ボア
 全96色あるサンプラス社製のボアから選びました。イラストにドンピシャの色は無くて、オレンジか茶色のどちらに寄せるかちょっと悩みました。
 もっと長い毛でモフモフ感を持たせることも捨てがたいのですが、ベータくん程度にデティールのあるキャラクターでこれ以上長い毛を使うと、モフモフではなくてボサボサ、設計ちょっと間違い感が出てしまいがちです。
 ちなみに中国産のぬいぐるみはもっと短い、毛足1㎜程度のソフトボアを使うことが多いです。日本でも輸入したソフトボアがネットなどでも販売されていまして、中国での量産も考えつつ作る場合には始めからそうした素材を使用します。
④口
 ちょっと悩んだのは口です。毛に埋もれない糸の太さと、口が開いている表現と、鼻やとの兼ね合いがちょっと難しく、ここは口をつぐんでいるイラストの方に近づけることにしました。

 目はプラ目パーツで、平たいタイプ、薄いドーム型か、ちょっとつけて見て判断します
できないこと
 1)若干の左右非対称 2)しっぽのギザギザ 3)耳の内側のギザギザ などは縫いぐるみという性質上断念です。
正面と側面の矛盾
 イラストだと気にならないのですが、正面図と側面図で、しっぽの着き方や耳の向きなど矛盾があります。どちらに合わせることも可能なのですが、耳は正面図に合わせます。しっぽはちょっとやってみて判断。
 側面図や背面図が無い場合には、イラストを追加で描いたり、想像で補ったりします。

 などなど。
 希望と現実を擦り合わせるこの過程でいろいろなアイデアが出ることもあり、できるだけ丁寧に打合せします。と言いつつも、作ってみないとわからないことも多いのでそこはやりながら柔軟に対応します。

 まずは頭のダミーを作ってみます。
 ここからの過程は随時ご確認可能です

 生地はちょっと余っていた仮の生地、眉毛はこのくらいかな?というアタリを書いてみます。試しに帽子もちゃちゃっと仮で合わせてみます。

 顔のライン、もう少し丸みが強い方がいいかな… 
 目はは平べったい方がイメージに近そう。
 あと、耳と帽子の関係が、立体にしてみるとちょっと悩ましいのかも。

修正しつつ、胴体部分も型紙を切ります。

全体ダミー1号。そこからさらに修正して、本当の色を使った試作(アルファくん)1号です。

この画像はまだ綿をちゃんと詰めてないので形が少しゆるいのですが、ちょっと近づいてきました。目はちょっと微妙かな…

もう少し型紙修正して、ボア生地に型移しして、

アルファくん2号、今度はスカーフや前掛けも仮で合わせてみます。
目は少し厚めのプラ目を光沢のある合皮でくるんでみました。
だいぶ良い感じ! でも、そうか、眉毛がちょっと太い? 
その他、最後の微妙なところ、型紙も直したりして…

そして、遂に、つくりもの御用聞き犬ベータくん、ぬいぐるみ誕生!!



SNSにもおいおい登場してもらう予定です。
雑用歓迎小回り主義で、お役に立てれば幸甚です!

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